2007年2月アーカイブ

金賞

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気にはなっていたが、ブログを書く気分になれなくて随分長い時間が経ってしまった。
そんな中先日嬉しい出来事があったので、久しぶりに書いてみよう。

印刷業界のある会で年一回開かれている印刷品質を競うコンテストがあり、当社は昨年初めて出品し、「審査員特別賞」を受賞した。その際金賞・銀賞を独占した印刷会社の方(以下敬意を込めて印刷バカと呼ぶ)と話す機会があり、印刷バカの印刷に対する情熱に触れ大いに刺激を受けた。同時に印刷バカをうならせるような印刷物を作りたいという思いも持った。

そこでこの一年間(ずっと考えていたわけではないが)「打倒○○」を合言葉に高品質印刷に取り組み、私のアイディアである「黒の中の黒」「茶色の中の茶色」のポスターを作成した。それは黒の背景の中に黒の革鞄、茶色の背景の中に茶色の革鞄が配置されたもので、見た目は地味だが印刷としては大変高度な技術を要求されるものである。
印刷に携わった社員は入社4年足らず22歳の若手。その彼が社長である私も寄せ付けず渾身の力で印刷したものは息を呑むほど素晴らしく、出品前に金賞受賞を確信したほどだった。
同時に入社2年足らずの若手営業部員のアイディアで印刷された機械式腕時計のポスターも手前味噌のようだが素晴らしい出来栄えだった。

両方を出品して数週間後、受賞の通知が届いた。震える手でそれを開封すると「金賞」の文字が。当然狂喜乱舞。社員へ大声で金賞受賞を伝えた私の目に飛び込んできたのは受賞作品の文字。何と受賞したのは私のアイディアである「黒の中の黒」ではなく、若手営業部員のアイディアである「機械式腕時計」の方。大変複雑な思いになってしまった。

東京での展示会・研修会・授賞式に参加してきたが、その展示会には受賞作品が展示されており、当社の作品も堂々とその場にあった。すると当社の作品を腕を組みながら食い入るように見る人が。そう、あの印刷バカである。しばらく後姿を見ていた後、声を掛けると第一声が「まいりました」。これには涙が出そうになるくらい嬉しかった。その後も胸のポケットから取り出したルーペで作品を見ては、賛辞が止まらない。さすがは印刷バカだ。さらに嬉しかったのは選にもれたが展示会にお情けで展示してくれていた「黒の中の黒」の説明をすると、「私が審査員ならどちらも金賞だ。どちらかと言うとむしろこちらかもしれない」という言葉。
この言葉をもらったからという訳ではないが、受賞したのがアイディア・撮影・補正・レイアウト・印刷の全てを社員が行ったものであるということはこれ以上ない喜びだと思えた。
その後の授賞式には得意気で満面の笑みの私がいた。そういえば印刷を担当したあの若手印刷オペレータに読ませた本は印刷バカが著したものだったなぁと思いつつ・・・。

ランゲ.JPG

カバン.JPG

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