2011年の終わりに

今年は東日本大震災が発生した年でした。
被災地から遠く離れた元被災地で暮らす私には祈ることしかできませんでしたが、そんな私に被災地へ行くきっかけを作ってくれたぬりえ日本の学生たちには感謝しています。そして今後も何らかの形で関わり続け見守っていきたいと思っています。
震災の少し前当社内にも大きく揺れる出来事がありました。組織の大改革を行ったのです。これは同業他社を驚かせるような大変大きな動きだったのですが、我々の決断は正しいものでした。
昨年の同じ日に私は当ブログで設備の自慢とモノ作りのこだわりへの決意、それらがもたらす明るい未来への期待について書きました。しかしそれを実現させる形になっていませんでしたので、今年前半に前述の大改革を行ったのです。そして我々はその賭けに勝ちました。今秋から品質に対して胸を張れるようになったのです。
地面を掘っても石油が出てくる訳でもなく、他の資源にも恵まれているとは言えないこの国では、頭を使いこだわりを持ち続けたモノ作りをしていかなければならないと思います。先人たちが築きあげてくれた「made in JAPAN」ブランドを汚していて我々の子孫たちに明るい未来が訪れるとは思えません。
東日本大震災が教えてくれました。モノ作りへのこだわりの重要性、1+1を2以上にする絆の大切さ。
我々は地に足をつけ良いモノ作りを追求する集団である道を選びました。役立つモノ作りをする役立つ人々が作る役立つ集団になる道を選びました。
我々には活版印刷機もあります。
我々にはプログラミング技術もあります。
我々には大判UVインクジェットプリンタもあります。
我々には美しい組版や画像補正の技術もあります。
我々には菊全判の4色印刷機もあります。
我々には環境保護に対する意識と高精細印刷の技術もあります。
我々には印刷人としての誇りもあります。
我々にはモノ作りにこだわるプロ意識もあります。
東日本大震災が教えてくれました。我々の選択が正しいことを。
皆さま、よいお年をお迎えください。
私はよい年を迎えます。

white in white

と言っても歯磨き粉(粉?今でもやっぱりこう言う?)のことではありません。
万年筆の書き味にこだわって抄造したLiscio-1(万年筆以外でももちろん書き味のいい紙)を使って徹底的に「白」にこだわって作ったノートが完成しました。
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表紙の布地・スピン(しおり)もこだわり抜いたのですが、罫線まで白にするとは・・・。しかもこの白インキは何度もテストを重ねて選びに選び抜いたものです。
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白の紙に白インキで印刷する際に表裏の見当を合わせたり、製本工程で何を当てに折ったらいいか等工夫を凝らしていますが、それは内緒。企業秘密ってことで・・・。
とにかく今後文房具の制作に力を入れていこうと思っていますので、ご期待ください。
「CIRO」というこのノート、クリスマスプレゼントにいいかもしれませんね。と言ってももう遅いか・・・。結婚式の引出物なんかにもいいかも・・・。
https://fromkobe.jp/contents/1-27.html

国内

だったらいいというものではないでしょうが、どうせだったら国内にして欲しかったと思うようなニュースってありますよね。
これだけ国内の景気が冷え込んだ状態が続くから草食系男子が増えるんだと思います。
ま、肉食系男子ばかりになればいいってもんじゃないでしょうが、モテたいという男の思いが経済に良い影響を与えることも多いと思うのですよね。
女性にモテたい男ってのは純粋っちゅうか健気っちゅうか、単純っちゅうかアホっちゅうか・・・。
とにかく閉塞感からの解放が2012年に訪れますように!
それにしてもカジノが国内にあったらなぁ・・・。
それにしても2、3,000万円する国産のスーパーカーがあったらなぁ・・・。

ま、こんなもんっすよ

9月に東京で久しぶりにある社長とお会いしました。
「毎日のようにfacebook上でお会いしているので久しぶりの感じがしませんね。でも書き込みは食い物のことばっかりじゃないですか。」
と笑いながら話をさせていただきました。
今、私のfacebookへの書き込みのほとんどが食い物に関することです。
本当は色々書きたいのですが、主義だの思想だのをなかなか書けないのでどうしても「どこへ行った」「何を食った」になってしまいますね。
一昨日大連からの研修生を連れて社員数人と一緒に京都へ行ってきました。
ラーメンを3杯食ってきました。
今日の昼食もラーメンでした。
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バカバカしくお思いかもしれませんが、SNSへの書き込みって無難にこんな感じになってしまうものですよ。特に「社長」などと呼ばれる人のものは。

タネ?ネタ?

3年前に会社案内をリニューアルする時に、イヤーブックのようにその年に力を入れていることを小冊子にまとめるようにしました。
それらを見ると変わらず取り組み続けているもの、注力することを止めたもの、新たに取り組み始めたものがよく分かり、当社の動きと取り巻く環境をうかがい知ることができます。
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今年(今期)分が先日完成しました。
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名前を「seeds of d.」と言います。「d.(daiwa・dignet・dalian)の種」という意味です。
因みにお好み焼きを食べる時に使うのはコテ?テコ?

社長冥利

参りました。
涙でモニターが滲み、胸が熱くなりながらキーボードに向かっていますが、言葉が出てきません。
普段声がかれるまでしゃべり続ける私ですが、言葉が見つかりません。
「ありがとう」より深く感謝する言葉がどうしても見つかりません。
大連のみんな、本当にありがとう。
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新しもの好きの当社がまた新たなサービスを始めました。2011年にふさわしい新サービスです。
そのサービスの名は「あじ名刺」(商標出願中)。
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2011年の新サービスにふさわしく当社の最年長(1962年生まれ)の印刷機がその主人公。
活版印刷機による名刺作成が新サービスなのです。
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活版時代の印刷では凹凸を出し過ぎたり、かすれを出すのは下手な職人がやることでしたが、現代においてはそれが「あじ」ととらえられていますので、あえて凹凸を出すように圧をかけて印刷します。
しかしその前の工程までは完全デジタル化。「あじ名刺」にふさわしいレイアウトを6パターン、用紙を3種類、刷り色を3色設定し、その中から好みのパターンを選んでいただいてデータ生成、そのデータから硬質樹脂版を作成しプラテンT(活版印刷機)で印刷するという流れです。
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箱は大阪の箱ヲタク作で現在Pen and message.さんの店舗で好評受付中。
それにしても活版印刷機による名刺作成サービスのメイン担当者が、デジタル系システム担当の営業マンであることがおもしろい。バランス感覚が優れてるなぁと自画自賛。

ここまでおいで

年金支給開始年齢の引き上げについてのニュースを見ていると何だか暗い気持ちになる。
42.195km走ればゴールって言われて走り始めたのに、やっぱり60kmくらいにしようかなぁと言われた気分。
走り続けていたらまたゴールを先に延ばされそう。結局力尽きるまでゴールを先に延ばし続けられるんじゃないだろうか。
どこまでも走り続けられる道があればいいのだが。
でも先日お邪魔した気仙沼の前向きな人たちの話や、先日亡くなったスティーブ・ジョブズ氏のスタンフォード大学卒業式での式辞を思い出すと、そんなことで下を向いていてはいけないとも思う。
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社内へ目を向けると80歳の職人が20代女性オペレータに、私より年上である1962年製の元気な活版印刷機で技術と同時にモノ作りの魂を伝授しながら仕事をしている。「年金をあてにするような生き方はせぇへんぞ!」とでも私に言っているように。
みんなを見習っておっちゃんも神戸で頑張るわ!るかちゃんに作ってもらったミサンガを見ながら・・・。
しばらくはこんな感じが続きそう。

二回目の気仙沼3

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昨日は朝から南気仙沼小学校の学童保育のみんなとのぬりえ日本のワークショップ。お世話になった公会堂に最後のモップ掛けをして出発。
南小は津波の被害を大きく受け、現在は廃車置場になっているので、高台にある気仙沼小学校の校舎を間借りしている状態。数年後には合併予定だったものが少し早まるようなことを聞いた。
7月に初めて気仙沼入りして最初にワークショップを行ったのがここ。そのため私には特別な思いがある場所。そしてその時に一所懸命黙々とぬり絵を細かく塗ってくれたるかちゃん、元気いっぱいだった妹のりんちゃん、おしゃまなきららちゃんや帰る車を走って追いかけて手を振ってくれたあやかちゃんは特に気に掛かる存在。えこひいきしてはいけないことは分かっているが、どうしても気になってしまう。
準備が整う頃には学童保育用の教室にみんなが集まり始めてきた。運動会の代休であるこの日は朝から学童保育が行われている。残念ながらきららちゃんやあやかちゃんは休みだったが・・・。
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来た来た、るかちゃんとりんちゃんの姉妹だ。おっちゃんは再会に心躍らせてるでぇ。
カバンを置いた二人は早速机の上でミサンガを作り始めた。どうやらこの姉妹の今のブームらしい。一心不乱に編み続けていた。再会に心躍らせているおっちゃんの気も知らずに。
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みんなで大きなぬり絵を一緒に。私もるかちゃん・りんちゃん・りょうちゃんと一緒に。
3ヶ月前よりみんなとても明るく元気になっていることに驚いた。家を流されちゃったるかちゃん達も3ヶ月前とは比べものにならないくらい明るくなっていた。一人黙々とぬり絵に取り組んでいた3ヶ月前のるかちゃんは、妹とも友だちとも笑顔いっぱい。お花屋さんになりたいって言ってたのに今はデザイナーになりたいって嬉しそうに恥ずかしそうに話してくれた。おっちゃん嬉しくって涙が出そうやったで。
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楽しい時間はあっという間に過ぎ去り、みんなとのしばしの別れ。るかちゃんは「ありがとう!また来てね!」と手を振ってすぐに友だちの元へ走って行った。妹のりんちゃんやりょうちゃんは車が見えなくなるまで大きく手を振ってくれていた。どちらもおっちゃんは嬉しかったで。
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学生たちに見送られ14:26気仙沼駅発の列車で出発し、22:00前には神戸に着いた。
あっという間の4日間が終わった。
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宝物が2つ増えた。おっちゃんまた行くで!

二回目の気仙沼2

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今日は朝から宿泊させていただいている公会堂の地域の皆さんへのお礼を兼ねた足湯のイベントのお手伝い。
経験のない私はウロウロするばかりで役立たず。
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午後からは時間がない中どうしても南三陸町の現状を見たく車を走らせた。
3ヶ月前から進んだと感じるのは地盤沈下と瓦礫の撤去、復興が進んでいるという実感は残念ながら強くは持てなかった。ただこれは復興へ力を注いでいる方々には甚だ失礼なことだということも承知している。
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夜はボランティアの皆さんとの食事会。
頼ること、頼られること。これがお互いの役立ち・依存の一面があることも少し分かった気がした。「お互い」の。
さぁ明日は神戸に帰る前に南気仙沼小学校のみんなとの再会だ。