履き倒れ

私は靴を磨くのが好き。と言っても人の靴を磨くほど靴を磨くことが好きではない。昼休みに自分の靴を磨いている。
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高校生の頃お年玉を貯めたお金で少し贅沢なポストマンシューズを買って、それを毎日のようにピカピカに磨いて登校していた。当時キャンパス内に靴修理屋のおっさんがいて、意外にもそのオヤジの腕が良く、何度も底を張り替えてもらったりして大学生になってもその靴を履き続けていた。
その後その靴を履くこともなくなったが、どうしても棄てることができず引越しのたびにかみさんと口論になりながらも下駄箱の奥で隠居生活を送っていた。昨年大掃除の際その靴が発見され、その時にはカビも生えていたため断腸の思いでとうとうお別れした。寝不足の朝に棄てていいか尋ねられつい頷いてしまったことを今でも後悔している。
マメに靴磨きをしているが、これは完全に自己満足。私の足元を気に掛ける人などいる訳もない。ただ自分の足元がきれいであることでキチンとした気持ちになり仕事に向かえるのだ。
そう言えば、一人私の足元を気に掛けてくれる人がいた。鞄屋の革オタクのオヤジだ。彼は私の足元を覗き込み「いい革やなぁ」と言ってくれる。「いい靴やなぁ」って言えっちゅうねん!

コメント

  1. 鞄屋のオヤジ より:

    靴は鞄と違って飲み屋のお姉ちゃんのように革が厚化粧なのです。なかなか素人さんには見極められない。ロブだろうが、クリケットであろうが、リーガルであろうが革だけ見たら、判断できる人はそういない。
    ちょっと前にも、お店でお客さんに革の説明じゃなく、鞄の説明をしてよと言われてしまった。少しだけ反省。

  2. kenbo より:

    厚化粧について凄い例えですな。
    反省する必要ないと思いますよ。それこそが革バカおやじなのですから(w
    因みにクリケットではなくクロケットです。

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